多系統萎縮症で、障害認定日は2級であったが、請求日の等級は職権改定により1級となった事例。
傷病名:多系統萎縮症
性別(年齢):女性(50代)
決定した年金種類と等級:障害厚生年金1級
請求方法:認定日請求
受給額:年額約210万円、遡及額約400万円
相談時の相談者様の状況
相談者は、5年ほど前より、両下肢が思うように動かなくなり、歩行がふらつくようになりました。そこで、複数の近医を受診しましたが、異常は見つかりませんでしたので、検査目的で、総合病院を受診、多系統萎縮症の疑いがありと診断されました。初診以来、しばらくは、総合病院に通院しておりましたが、症状悪化に伴い、移動が困難ということで、近医のクリニックへ転院されました。
相談時には、外出も困難となり、日常生活全般で介助が必要となりました。
相談から請求までのサポート
相談者のご主人様から障害年金受給の相談を受けました。その当時、奥様は外出及び面談等は困難とのこと、相談及び打合せは、すべてオンライン面談としました。
相談者は、多系統萎縮症の疑いがありと診断される前に、複数の医療機関を受診していました。そこで、関係したすべての医療機関の受診状況等証明書を取得しました。
3番目の受証に、多系統萎縮症の具体的な症状が現れた日が記載されていたので、この受診況等証明書に記載されている日を初診日としました。
障害認定日及び現在の2枚の診断書を作成してもらい、障害認定日請求(遡及請求)を行いました。
診断書作成に当たっては、日常生活動作の程度について、細かくヒアリングして、診断書作成に参考にしてもらいました。
病歴・就労状況等申立書についても、相談者のご主人様と何度もオンライン面談を行い、相談者の状態を丁寧に記載しました。
結果
障害認定日及び現在は、障害厚生年金2級と認定されました。その後、現在の診断書にて職権の改定が行われ、障害厚生年金1級として認定されました。
執筆者紹介
-
中村美恵子(なかむらみえこ)
社会保険労務士・医療労務コンサルタント。日本橋を拠点に障害年金をサポートしている。累計相談数6,000件超(2024年6月現在)
最新の投稿
- 10月 1, 2024アルコール性肝硬変アルコール性肝硬変にて障害厚生年金2級に認定された事例。
- 9月 30, 2024腓骨神経麻痺「初めて2級」により障害基礎年金2級に決定した事例。
- 8月 7, 2024急性リンパ性白血病急性リンパ性白血病にて障害厚生年金2級を受給した事例。
- 7月 22, 2024乾癬性関節炎膠原病(乾癬性関節炎)にて障害厚生年金3級を受給した事例。
関連記事
クイックタグから関連記事を探す
「難病多系統萎縮症」の記事一覧
- 膠原病(乾癬性関節炎)にて障害厚生年金3級を受給した事例。
- コロナ感染日を初診として線維筋痛症で障害厚生年金2級が決定した事例。
- レックリングハウゼン病 による腫瘍(一下肢切断)にて障害厚生年金2級を受給した事例。
- 新型コロナワクチン接種直後のアナフィラキシーショックで化学物質過敏症と診断され障害厚生年金2級を受給した事例。
- 裁判記録から20歳前傷病を証明。スモン病で障害基礎年金2級を受給した事例。
- 線維筋痛症で障害認定日は障害等級3級であったが、請求日に障害等級2級になった障害厚生年金2級の事例。
- 化学物質過敏症にて障害基礎年金2級を受給した遠方からのご相談事例。
- 食品を主原因とする「重度アレルギー」から「化学物質過敏症」に診断名が変更された障害基礎年金2級の事例。
- 線維筋痛症にて障害厚生年金2級決定。過去5年分も受給。
- 線維筋痛症で障害基礎年金2級。遡及請求により過去3年分を受給した事例。
- 初診日の特定が難しい化学物質過敏症にて障害基礎年金2級を受給。
- 相談から約1年かかったが、2分脊椎症にて障害厚生年金2級に認定された事例。
- 初診の証明に苦労したが、脊髄小脳変性症にて障害基礎年金2級を受給した事例。
- 化学物質過敏症で障害基礎年金2級に認定された事例。
- 「疼痛で障害年金は受給できない」と言われ当事務所へ、複合性局所疼痛症候群(CRPS)にて障害厚生年金2級決定。
- 脳挫傷により障害基礎年金1級受給。
- 頚髄損傷により障害厚生年金3級受給。
- 脳出血により障害基礎年金1級決定し、約97万円受給した事例。
- 変形股関節症で障害厚生年金3級決定し約110万円受給できた事例。
- カルテ破棄も2番目の病院に紹介状で初診日を証明。障害厚生年金2級、加給を含め124万円受給し永久認定になった事例。
- シャルコー関節(糖尿病性神経障害)で障害基礎年金1級が決定した事例。
- 全身性エリテマトーデス・シェーグレン症候群で障害厚生年金3級、年間約58万円受給。
- 左大腿骨頭壊死症で社会的治癒が認められ、障害厚生年金3級が決定した事例。
- 化学物質過敏症で障害厚生年金3級を受給。
- ベッカー型筋ジストロフィーにより障害基礎年金1級を取得し、年金額約98万円を受給。