年金を払っていなくても障害年金はもらえるの?
質問
原則に従って20歳から国民年金に加入していますが、1年前より未納状態です。4年前に肝炎を患い初めて受診し、現在では肝臓がんに進行しています。国民年金が滞納状態であっても障害年金を請求することは可能でしょうか。
答え
現在、年金の未納が大きな社会問題として取り上げられています。
「年金=将来の老齢年金」と考える人が大半を占めているといった現状ですが、障害年金にも大きく関わる問題です。早い段階で自身が障害年金を受給することは誰しも想定しがたい部分ですが、一定の未納状態が続くと、障害年金の受給が不可能になる可能性があるため、重大な問題となってしまいます。
重要ポイントとして、障害年金が請求可・不可は、現在の保険料納付状況ではなく初診日時点の保険料納付状況によって決まります。
初診日の前日に、その初診日のある月の、前々月までの期間の3分の2以上が、次のいずれかの条件に当てはまっている必要があります。
・保険料を納めた期間(会社員や公務員の配偶者だった期間も含む)
・保険料を免除されていた期間
簡単にいうと、初診日までの被保険者であった期間のうち、3分の1を超える期間の保険料が違法に滞納されていなければ大丈夫です。
実際に保険料を納めていた期間だけでなく、正式に保険料が免除されていた期間も、納めていたものとして扱われます。
上記の要件には当てはまらなくても、初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日の前日に、その前々月までの1年間に保険料の違法な滞納がなければ要件を満たすことができます。
相談者の場合、初診日前の保険料納付要件を満たしていると見られるので、年金請求は可能です。
なお、経済的な余裕がないという理由により保険料を払えないといったような場合、保険料免除申請の手続きをすると、支給要件における納付済み期間としてカウントされます。また一部免除の場合は、減額された保険料を納付すると納付済み期間としてカウントされます。
何らかの事情で保険料の納付が困難になることもありますが、その場合であっても未納状態を続けずに、免除や納付特例を申請しておいた方が賢明です。